(1)親権とは
親権とは、父親と母親が、子の利益のために、未成年の子を監護・教育し、その財産の管理をする権利と義務の総称です(民法820条)。
「親権」は、文字を見ると「親の権利」のようですが、権利だけではなく、義務も含まれていることに注意が必要です。
親権者は、未成年の子どもにとって利益となるように親権を適切に行使する「責任」を負っているのです。
(2)親権の内容
親権の内容は、「身上監護権」と「財産管理権」とに分けられます。
身上監護権の具体的な内容としては、居所指定権(民法821条)や職業許可権(民法823条)があります。
財産管理権とは、子の財産を管理し、子の代わりに法律行為(契約など)をする権限を言います(民法824条)。