離婚手続きと親権者の指定について解説します。
協議離婚での親権者の指定
父母が婚姻しているときは、未成年の子の親権は父母が共同で行使しますが、離婚をするときは一方を親権者として決める必要があります。
父母が離婚するときは、必ず父母のどちらかを親権者として決めなければならないとされており(民法819条1項、2項)、親権者を決めずに離婚届を提出しても離婚届は受理されません(民法765条1項、戸籍法76条1号)。
そのため、親権者を決めずに協議離婚することはできません。
離婚調停での親権者の指定
離婚調停で、離婚については合意できているが、親権については話し合いがつかないというときに、離婚についてだけ調停を成立させることはできるのでしょうか。
このような離婚についてだけの調停も有効に成立するとはされていますが、親権についてその後の協議によって解決するとは考えらないため、こうした調停は避けられています。
調停において親権について協議がまとまらないときは、離婚訴訟に移行して事件の解決が図られることになります。
裁判での親権者の指定
離婚訴訟では、判決において必ず父母の一方を親権者と定めなければならないとされていますので(民法819条2項)、親権者が指定されずに離婚となることはあり得ません。